眼瞼下垂とは、廊下やコンタクトレンズの長期使用などが原因で、まぶたが下がって開けにくくなる状態のことをいいます。眼瞼下垂は手術によって治療できますので、「老化だからしかたがない」などといって諦める必要はありません。
当院で行なう眼瞼下垂手術には「皮膚がたるんでいる場合」と「まぶたの筋肉がゆるんでいる場合」の2タイプがあり、それぞれ異なる方法で手術を行ないます。
まぶたを開く機能は正常ですが、たるんだ皮膚が前に覆いかぶさって視野を寒いでいる状態です。視野を確保するために眉毛を上に挙げる傾向があります。
局所麻酔注射後に、たるんだ皮膚を切除します。
切除の方法は2通りあります。
❶ 眉毛下の皮膚を切除する方法
❷ まぶたの皮膚を切除する方法
まぶたの皮膚に手を加えないため、より自然な二重になります。
一重まぶたや奥二重をそのままにしておきたい方にもおすすめです。
二重まぶたをしっかり固定することができます。また、二重のラインをある程度自由に決められます。しかし、底すぎる二重幅や皮膚の切除量が多い場合や、皮膚が厚い場合は、やや不自然な仕上がりとなることがあります。
上まぶたを挙上(持ち上げる)する筋肉「眼瞼挙筋」の付着がゆるんで、十分に目を開くことができない状態です。この場合も視野を確保するために、眉毛を挙げる傾向があります。
局所麻酔の注射後、二重のラインを切開し、ゆるんだ筋肉の一部を引っ張り出して、まぶたの瞼板という組織に縫合します。皮膚が余る場合には皮膚の切除も行ないます(先の、まぶたの皮膚を切除する手術と同時にできます)。
体を起こした状態で、十分目が開くことを確認後、皮膚を縫合して手術終了です。
術後は楽に目を開けることが可能となり、眉毛も本来の位置に下がってきます。
できる限り理想のまぶたに近づけられるように、手術を担当する医師が患者さんの皮膚の状態や、まぶたの筋肉の機能などについて詳しく診察を行ないます。この際、術後との比較のため、写真を何枚か撮影させていただきます。
※心臓や脳の病気で、抗凝固剤(血をサラサラにするお薬)を飲まれている方は診察時に必ず医師、または看護師にお伝えください。
手術をご希望される場合、患者さんのご都合に合わせ、手術日を予約させていただきます(手術可能な曜日は火曜日です)。患者さんに合った手術法について担当医師から詳しい説明があります。十分にご納得いただいてから同意書にサインをお願いいたします。
手術に備え、感染症や出血しやすい病気をおもちでないか、簡単な採血検査を行ないます。
火曜日
午前9:00~12:00 / 14:30
担当医師:岡山大学病院 形成外科医師
お問い合わせ先
電話:06-6481-1667(代表)
当院での治療は、形成外科で眼瞼下垂を専門とする医師が担当しています。
安心して治療を受けていただける専用の手術室・設備を整えています。
術後安静のために入院を希望される場合でも対応可能です。
当院で行なう眼瞼下垂手術や眼瞼下垂そのものについて、患者さんやご家族からいただくご質問のうち、頻出度の高いものを中心に、担当医より回答を掲出しています。掲載のないご疑問点、ご不明な点などありましたら、外来担当の看護師へお気軽にご相談ください。
目を開けやすくし視野を広げることが主な目的で、これによる肩のコリや頭痛の解消が副次的な目的です。
手術で治せる眼瞼下垂についてはやはり、手術が一番と思います。手術と同等の効果がある治療法はありません。
「実際にまぶたが開けにくくてどれだけ困っているか」が手術する上で重要と思います。ただ、あまりに”軽すぎる”症状では保険診療対象外となる場合もあります。
ふだん通りでOKですが、しいていえば花粉症などでまぶたが腫れていると手術がしにくくなりますから、先に治療しておくことをおすすめします。
局所麻酔は、注射の針の痛みと、麻酔薬の刺激による痛みを、始めのうちは感じます。細い針でゆっくりと注射することでなるべく痛みを軽くします。麻酔は1〜2時間程度効き、手術中の状況で適宜追加します。
手術後およそ1週間は腫れが目立ちます(他人から見てもわかる程度です)。
術後の腫れは、1〜2週間である程度ひき、2〜3ヶ月で自分にしかわからない程度までひきます。6ヶ月〜1年たてばほぼ完全にひきます。
当日は血圧が上がらない、血流が増えないように、運動・熱いお風呂に入る・飲酒はさけましょう。
外来日帰り手術が基本となります。
大きな内出血で眼が開かない時でなければ、翌日から運転が可能です。
またメイクは翌日からできます。ただし縫っている部分へのアイラインなどは控えましょう。ファンデーションまでであればOKです。
まぶたのふちが黒目にかかっている量が目安の一つとなります。
同時に手術した方が左右を合わせやすいので、同時に手術することをおすすめしています。
こちらから自費診療をおすすめすることはありません。ただし保険診療で対応できない部分についてはその都度説明しています。
手術時間は、両目で1~1時間半程度です。
遠方からでも可能です。術後も抜糸や経過のチェックに通院いただく必要がありますので、無理のない範囲でお願いします。
麻酔の染み込んだ範囲をこえた深い部分や、血圧が高く麻酔が流れて早くきれる場合などに、手術中に痛みが出ることはありますが、その都度、麻酔薬を追加して、それ以上痛みが出るのを防ぎますのでご安心ください。
まぶたは傷の治りが非常に良いため、切開のキズ跡は目立ちにくくなります。
皮膚の切開・挙筋の固定ともに手術時の効果は永続的ですが、加齢に伴い新たに皮がたるんできたり、筋力そのものが下がることで、ゆっくりと下垂がでてくる可能性はあります。およそ5~10年は維持できることが狙いです。
若い方の場合は、もともとからまぶたが上がりにくい「先天性」眼瞼下垂の可能性があります。また、ハードコンタクトレンズによる下垂も、若い方で生じることもあります。程度にもよりますが、治療対象となります。
術後は血圧を上げないように安静にし、アイシングと頭を上げた姿勢をとりましょう。飲酒も少し控えた方が腫れによいです。
筋肉の衰えによっても多少強めに引っ張るため、目が閉じにくい(うす目で開く)可能性はあります。まったく閉じれなくなるほどの手術は行いません。
抜糸後すぐはまだキズの付きが弱いので、追加2週間は強く引っ張らないように注意してください。
キズ跡は細く残ります。また眼が空気に触れやすくなりますので、眼の乾燥感はしばらく感じます。
挙筋の働きが十分であれば、手術を2回以上おこなうことは可能です。また将来筋肉の動きが非常に悪くなった場合でも、眉毛につなぐ等の別の治療を検討することができます。
1週後に抜糸。1、3、6ヶ月後に経過のチェックの計4回が基本となります。
//制作側コメント:費用も術前の不安・疑問材料のひとつです。可能であれば以下で、参考となる金額を提示できればと考えています(下記費用はすべてダミーです)。
美容目的でない眼瞼下垂の手術には健康保険が適用されます。入院される場合は、別途入院費用が必要です。詳しい費用については当院の医師にお尋ねください。
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
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片目 | 約10,000円 | 約20,000円 | 約28,000円 |
両目 | 約16,000円 | 約32,000円 | 約50,000円 |