大隈病院は70年余りにわたって杭瀬の地で地域に密着した医療を提供してきましたが、施設の老朽化にともない、2024年11月、阪神尼崎駅近くに「おおくま病院」としてリニューアルオープンいたしました。
この機に前任の齊田先生から院長職を引き継がせていただきました。新病院を牽引していく立場となり身の引き締まる思いであります。「病気を治すだけでなく患者さんの心も癒す」という当院の理念のもと、心のこもった診療やサービスを提供できるように努力してまいりたいと考えています。
外来診察に関しては、経験豊富な医師によって内科、循環器科、外科、整形外科、泌尿器科診察を行っております。特筆すべきは、肝硬変などによる難治性腹水の患者様に対してCART療法(腹水濾過再静注療法)を積極的に実施して患者様のQOL改善を目指しております。
さらには形成外科、ペインクリニック、心臓血管外科、呼吸器内科、心療内科においては、より専門的な診療を可能とするために非常勤医師を招聘して、地域の皆様のニーズにお答えしています。レントゲン、CT、MRI、超音波エコーなどの画像診断や、主な血液検査も院内で随時可能であり、地域の皆様やかかりつけの患者様の体調不良、熱発といった、軽症から中等症までの救急患者様の受け入れも積極的に行っております。
5階と4階の2フロアを「地域包括ケア病棟」として、3階フロアを「医療療養病棟」として運営しております。
「地域包括ケア病棟」は高度急性期病院での急性期治療を経過し、病状が安定した患者さんに対して、住み慣れた地域での療養を支援する病棟です。近年、医療施設の棲み分けが明瞭になってきており、高度急性期病院では手術等の治療が終わればできるだけ速やかに退院させて次の患者様のために病室を確保することが求められています。一方、ご存じの通り人口の高齢化が加速しており、急性期病院での治療が終わったといっても直ちに自宅や施設に戻れる患者様はそれほど多くはなくなっているのが現状であります。そこで一旦地域包括ケア病棟に移っていただき、時間をかけてリハビリテーションをおこなったり、自宅のバリアフリー化や在宅サービスの整備などをするための時間を作ったりできるわけです。
さらには「地域包括ケア病棟」は救急患者様のための入院病棟でもあります。緊急手術やカテーテル治療等の高度医療が必要と考えられる患者様はお受けすることはできませんが、熱発、腹痛等の一般的な症状を有する救急患者様に対して、診察ならびに諸検査を行って入院の必要性や他の高度急性期病院への転送の必要性などを判断して各患者様に適切な医療を提供できる体制を整えています。
3階フロアは「医療療養病棟」として、急性期医療の治療を終えた後も、病院での医療提供の必要度が高く、療養を継続的に行う必要のある慢性期の患者さんを対象とした病棟です。
これまで「病院と皆さんのお家をつなぐ架け橋でありたい」というスローガンのもとで走り続けてまいりました。新病院となっても地域の皆様に安全、安心な医療を提供できるように努力していく所存ですのでよろしくお願い申し上げます。