[講師] 放射線課 柴辻 芳隆
搬入時の様子を写真でご紹介します。
MRIとは「磁気共鳴画像検査」といい、強い磁場を有するトンネルの中に身体を入れて、磁石の力と電波を使って身体の内部の様子を画像化する検査です。
X線を使用しないので放射線被ばくはありません。いろいろな角度から身体の断面を画像化することができ、脳や脊髄、内臓、筋肉、関節、血管などの詳細な情報が得られます。
MRI検査は、放射線による被ばくがない一方で単純エックス線撮影やCT撮影とは異なり、強力な磁気に関する事故が発生する可能性があります。MRI検査時における事故としては、磁性体等の吸引・吸着事故、火傷、インプラント類の電子情報消失や破損等の報告がされています。
吸着事故においては、患者に多大な影響を与えるだけでなく、事故後MRI機器の復旧に数日を要するため一定期間MRI検査が実施できない事態となり、状況によっては多額の復旧費用が発生することから、医療機関においては危機管理の観点からもMRI検査に係る事故の防止に取り組むことが重要です。
禁忌
※手術をした医療機関に体内の金属はMRI対応の金属か確認する必要がある。
当院では、MRI検査前に患者さんに問診票やチェックリストを見せて、金属類を持ち込まない様にチェックしています。最後に、金属探知機でチェックしています。
この様に、チェックしていても、検査室に持ち込んでしまうことがあります。
病棟で使用している車椅子・ストレッチャーは使用しない
(非磁性体の車椅子・ストレッチャーを使用すること)
吸着事故の報告があります。また、酸素ボンベが中に吸い込まれて、患者さんの頭部と胸を強く圧迫し、死亡するという事故も報告されています。